家電リサイクル法とは、1998年6月に制定され2001年4月完全施行された法律で、
我々の生活に欠かせない冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン・乾燥機などを廃棄する際に、予め法律で決められたリサイクル料金というものを支払って処理しなければならないという法律です。業者だけではなく、消費者にも同等の責任がありますので、不法投棄が発覚した場合、受託した側と委託した側の両方が罰せられます。電化製品のほかに、自動車にもリサイクル料金が設定されております。
実際に捨てようとしてからはじめて家電リサイクル法という法律を知った方も多いのではないでしょうか?
この法律を知らずに独自の方法で捨ててしまったりしてはいけません。
知らなかった!では済まされない家電リサイクル法。ゴミステーションにテレビ一つ間違えて放置してしまった場合でも、れっきとした不法投棄にあたります。
では仮に、自分で費用をかけずに不法投棄をするとどうなるのでしょうか?
自ら不法投棄をしてしまったケースと、格安・無料引き取りにつられて違法業者に処分を依頼してしまったケース。
ご参考になるように、よくある二通りの事例掲載いたします。まず初めに紹介する方は大量に不用品を不法投棄をしたわけではありません。それでも、悪質性が認められ、30万円の罰金という判決となったそうです。プライバシー保護のため、個人情報が特定できてしまう地名や氏名などは伏せさせて頂きます。
テレビを不法投棄してしまった
ブラウン管(27インチ)のテレビを処分したくて、電気屋さんから家電を引き取ってくれるようなところを何件かあたってみたのですが、テレビ一つ処分するだけだというのに最低でも5000円はかかるみたいで、ゴミを捨てるのに5000円払うのは正直ばからしいと思い、そのままゴミステーションに出せば誰かしら粗大ごみとして引き取ってくれるんじゃないかという軽い気持ちでをテレビ置いて行ってしまいました。捨ててから1日目は赤いシールが貼られていて、内心焦り取りに行こうかなと思いましたが、今更取りに行くのも恥ずかしいし、捨てたものだからもう自分のものではないし関係ないとそのまま放置しました。すると二日後には、捨てたテレビが間違いなくなくなっていたので、粗大ごみの業者が引き取ってくれたんだと、無料で処分ができてラッキーだくらいにしか思いませんでした。
ですが、そこから一週間後に不法投棄の件で警察の方から電話がかかってきたのです。
そこから取り調べを幾度と受け、テレビを捨てるに至った経緯などを聞かれ、結果的には30万円の罰金という判決を受けました・・・。
今更どう悔やんでも悔やみきれませんが、あの時リサイクル料金をきちんと支払って処分すれば良かったと思っています。
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例えば、友人や親せきに譲ったり、買い取ってもらう際にはリサイクル料金は必要ありませんし、もちろん違法ではありません。
費用をかけたくない場合は、できるだけ譲り手を探したり買取りをしてもらうのも手段の一つですが、邪魔になるからいらないと言われた場合や、買取りが出来なかった場合はきちんと定められた費用を負担して処分しましょう。
格安引き取りにつられたが、不法投棄をする業者だった
新生活に向け、引越しをしなければならない時期がありました。引越し先で家具を買ってしまったので、今ある家財道具が要らなくなったんです。
身の回りの細かなゴミは、可燃ごみや不燃ごみの日に捨てればいいので問題はなかったのですが、残った大きな家財。これを処理しない事には引越しなどできません。自治体の粗大ごみ回収で申し込みをしてみたのですが、大型家具は民間の一般廃棄物処理に出してくださいとの事。仕方ないやと思いつつも料金を聞いてみると、それなりに費用が掛かってしまう。ゴミを捨てるのにこんなに費用を払わなくてはならないという事に、当時は納得がいきませんでした。そうこうしている間にも、アパート引き渡しの期日は日に日に迫っています。そこで、ポストの中を整理していたところ、『不要家電・不要家具の格安引き取り!品物によっては無料引き取り可能!』という宣伝文句のチラシを見つけました。格安でしかも無料で回収できるものもあるなら来てもらわない手はありません。早速問い合わせて来てもらいました。すると、次々に運ばれる不用品。あっという間にいらないものがすべてなくなって、料金も通常の五分の1以下。ところが、数日後に見知らぬ番号から着信があったので出てみると、弁護士を名乗る人物から『あなたが依頼した不用品回収業者が市内の山林で不法投棄を繰り返しています。依頼された心当たりはありますか?』というお話がありました。はじめはいたずら電話かと思いましたが、業者の名称や処分したものの内容も一致しておりましたので、間違いなく私宛の電話です。結果、業者と私を含む委託者に罰金が命じられ、不法投棄されてしまった私の家財道具は、正規に営業している業者さんの方へ実費で回収してもらう事となりました。二重に費用を払う羽目になったうえに、罰金を支払う事になったので、もっとゴミに関する正しい知識があればと大変後悔しました。
問題なのは、『自ら不法投棄をしてしまう事』『不法投棄をしている業者に回収を依頼してしまう事』です。
家電リサイクル法という法律を知らずに、間違えて家電を粗大ごみの回収場所に出してしまわないようにご注意ください。
家電リサイクル法で定められているリサイクル料金の目安
・テレビ15インチ以下 1785円
・テレビ16インチ以上 2835円
・エアコン 2625円
・冷蔵庫170L以下 3780円
・冷蔵庫170L以上 4830円
・洗濯機・乾燥機 2520円
不用品回収業者に委託する場合は上記の金額に、運搬手数料が上乗せされますので、
この金額を大幅に下回る価格を謳っている業者は不法投棄をしている可能性があります。十分にご注意ください。
また、こちらでは家電について記載されておりますが、ちょっとしたゴミや不用品をポイ捨てしてしまった場合でも不法投棄にあたりますので、絶対に不法投棄はしないようにしましょう。不法投棄を発見した場合は、市役所か警察署に通報しましょう。
この家電リサイクル法が執行される前は、家電が普及していなかったので一昔前は家電類をゴミ置き場に捨ててしまっても問題が無かったのでしょう。ですが、現在は一世帯に必ず一つはあるといっていいものです。資源を守る目的で、製造者が家電の中からリサイクルできるものは再利用できるように、リサイクル料金というものが設定されました。
正しく法律を知った上で家電を処理しましょう。